健康情報館 |
【中国古代の智慧からの生命に関する造語】 |
【柴犬晴子の湯たんぽ健康法】 |
中医学の「気」の理論から免疫力を知る |
現代医学での「免疫力」を、
中医学では「衛気(えき)」といいます。
「衛気」の重要な役割は、外部からの有害物質や
有害なエネルギーが体内に侵入するのを
阻止することで、衛気が充実していると
体内の自己防衛力が高まります。
衛気は身体の主に以下の3つのエネルギーから
構成されていると考えられています。
1. 足の太陽膀胱経 (体表・皮膚のエネルギー) |
太陽膀胱経(※図1.)は、
頭から足の先まで背中全体を流れています。
身体において最も長い経絡で、
エネルギーの源は腎臓です。
また全身の陽のエネルギーを
管理する経絡でもあります。
ですから、背中のエネルギーが滞ると、
体のバリア機能が落ちて、免疫力が低下します。
例えば、風邪の初期に背中がゾクゾクする症状は、
この経絡のエネルギーの流れが弱まっているサインです。
普段から足腰の簡単なストレッチを行うことで
膀胱経の流れが良くなり、免疫力がアップします。
(※図1.)
【膀胱経の気の流れを良くするストレッチ法】
(※図2.) 片足を真っ直ぐにして立ち、
もう片方の足を椅子にのせ、背骨を真っ直ぐにして立つ。
無理なく足の重力だけで、ゆっくりと太股の裏や、
ふくらはぎの筋肉を伸ばして3分~5分キープする。
左右の足を交互に行う。(一日一回)
(※図2.)
【膀胱経の気の流れを良くするマッサージ法】
(※図3.) 両膝の裏の「委中」(膝の真後ろの真ん中)のツボの位置。
(※図4.) 椅子に座って両手の中指と薬指を、
片膝の裏の「委中」のツボにあてる。
しっかりと抑え、当てた手を回しながらマッサージをする。
30秒~1分、左右交互に行う。(一日一回)
(※図3.) (※図4.)
【膀胱経のエネルギーの流れを良くする漢方と食材】
葛根湯、桂枝湯、葛湯、シナモン
2.肺気 (肺のエネルギー) |
肺の重要な役割は、体内の不要な二酸化炭素を
吐き出して、新鮮な酸素とエネルギーを
取り込むことです。しかし、肺自体のエネルギーが
不足すると、二酸化炭素が体内に溜まり、
良いエネルギーの取り込みが悪くなります。
中医学では、肺は全身のエネルギーが
スタートする場所であり、肺のエネルギー不足は
全身の気の流れに影響を及ぼすと考えられています。
また、魚は呼吸のない生き物(肺式呼吸が無い)
といわれており、水揚げされた時点で息苦しくなって
窒息死するので、魚を多く摂取することで、
肺のエネルギーが不足し、呼吸のトラブルを
起こしやすくなると考えられています。
日本の喫煙率は80年代から大幅に減少していて、
60年代の70%の喫煙率から、現在では約20%に
なっているにも関わらず、肺ガンや肺炎の死亡者は
上昇し続け、日本人の死亡原因の1位になっている
ということは、日本人1人当たりの魚の消費量が
世界第一位を保っている事と関連していると思われます。
その為、できるだけ魚の摂取量を抑えて、
肺のエネルギーを大切にしましょう。
【胸の気の流れを良くするマッサージ法①】
(※図5.) 椅子に座り、右手の親指以外の4本の指を
しっかりと伸ばして、左の胸の肋骨の間に置く。
胸の中心から1cmずつ外側に押して行く。
左右交互に3回~5回行う。(一日一回)
(※図5.)
【胸の気の流れを良くするマッサージ法②】
(※図6.) 椅子に座り、利き手の親指を喉の真下に当て、
もう片方の手を手の甲に添える。親指にやや圧をかけて、
回転しながら下へ降りていき、みぞおちまで進む。
3回~5回行う。(一日一回)
(※図6.)
【肺のエネルギーをケアする漢方と食材】
桔梗石膏エキス、辛夷清肺湯(シンイセイハイトウ)、
麻杏甘石湯(マキョウカンセキトウ)、杏仁、ドクダミ茶、
大根、レンコン、百合根
3.胃腸 (消化器系のエネルギー) |
中医学では、暴飲暴食をすると、
脾臓や胃のエネルギーが不足し、
栄養の吸収と消化が遅れて「痰」が
生じやすくなると考えられています。
そして、その「痰」が肺に溜まり、呼吸系のトラブルが
発生して重症化しやすくなります。また近年の研究では、
人体の免疫細胞は60~70%が腸の中にあり、
「腸管免疫システム」と呼ばれ、腸内の温度や湿度、
腸内細菌のバランスが免疫細胞の働きに大きく影響を
与えることが分かっています。特に腸内細菌の餌となる
食物繊維が不足すると、腸内細菌は腸の壁を破壊し、
その壁を餌にします。すると、腸内のエネルギーの生産に
影響を及ぼし、その結果、免疫細胞の活力が低下します。
精製されていない穀物(玄米、全粒粉)や、野菜、果物、豆類、
海藻類などから食物繊維を多く摂取することを心がけましょう。
【腹部の気の流れを良くするマッサージ法①】
手の位置と手のかたち |
(※図7.) 利き手の4本の指をしっかり伸ばし、
指全体を右側の肋骨のカーブの下にあて、
もう片方の手で上から圧をかけます。
(※図7.)
(※図8.) みぞおちから下腹部に向かう
3本のラインをマッサージします。
(※図8.)
やり方 |
(※図9.) 図7.の位置に手を置き、
こねるように円を描きながら、
へその下まで進みます。右から左に行います。
3本のラインをそれぞれ3回~5回行う。(一日一回)
(※図9.)
(※図10.) 椅子に座って両手のひらを重ね、腹部におく。
時計回りに腹部をマッサージする。 1分~2分。(一日一回)
(※図10.)
【腹部の気の流れを良くする温熱療法】
腹部(へそを中心)を湯たんぽや、
あずき湯たんぽ(カイロ)等で温める。
15分位。(一日一回)
【消化器系のエネルギーをケアする漢方と食材】
補中益気湯(ホチュウエッキトウ)、
半夏厚朴湯(ハンゲコウボクトウ、
香砂養胃丸(コウシャヨウイガン)、
陳皮、紫蘇、生姜、カボチャ、山芋、粟
体の衛気を総合的に高める2つの鍛錬法をお薦めします! |
インターネットやYouTubeで映像が見られます。
1.站椿功(たんとうこう)(※図11.)
2.八段錦(はちだんきん)
(※図11.)